相続人の中に認知症の方がいる場合の手続き

9月の声が聞こえてきました。
まだまだ残暑は続くのでしょうか。

さて、今日は、
ご家族に認知症の方がいる場合の相続手続についてお話します。

相続人の中に、認知症の方がいる場合、
相続の世界では、遺言書がない限り、
その認知症の方に成年後見人(法的な代理人)をたてないと、
相続手続を行うことができません。

なぜなら、認知症の方、つまりは判断能力の乏しい方が、
遺産分けの話し合いに参加すると、
判断能力が乏しいがゆえに、損をしてしまう可能性があるという理由で、
遺産分割協議自体に参加することができないという法律があるからです。

そういった場合は、
その方を法律という手段で守るべく、
成年後見人という代理人をつけなければならなくなります。

この成年後見人をつける手続きが、
思いのほか時間がかかるのです。

成年後見人は家庭裁判所に申し立てる手続きなのですが、
これに半年ほどかかることもあります。

そうなると、この手続きが済むまでは、
他の相続人も含めて、遺産分割協議を行うことはできません。

ちなみに、相続税の申告期限は10ヶ月です。
相続税がかかるご家庭の場合、
10ヶ月の間に遺産分割協議ができていないと、
本来受けられる優遇ルールが受けられなくなってしまうこともあります。

相続人の中に認知症の方がいる場合は、
いち早く、手続きに着手することをおすすめします。