急ぎすぎは厳禁!遺産分割は慎重に

早いもので、10月となりました。
あと3ヶ月で今年も終わってしまうなんて・・・
時が経つのは本当に早いです。

先日、地元の愛知県で、
ご相続のご相談をいただきました。

お客さまは、
先月お母さまを亡くされた70代の女性の方です。

この方、ずっとご商売をされていたそうで、
とにかく、「ちゃきちゃき」なんです。

やらなきゃいけないことは、少しでも早く片付けたい!
ぐずぐず考えるのなんて大嫌い!

そんなご性格のようで、
お母さまが亡くなってわずか1カ月であるにも関わらず、
もうすでに、ご相続のお手続きがかなり進められていました。

そして、ご面談日、
その方は証券会社の手続き書類を私に見せ、
こうおっしゃいました。

「この書類、自分でそろえたの。
もう相続人みんなに印鑑ももらっちゃった。
明日、証券会社に提出してくるつもり!」

その書類、書き方は完ぺき!
証券会社に提出すれば、
すぐにでもお手続きできるでしょう。

でも・・・
思わず私の口から出た言葉は、
「ちょっと待って!」

よくよくお話をお聞きすると、
その証券会社の口座に入っているのは、
亡くなられたお母さまが昔から持っていた上場株式1銘柄のみ。

でも、その価格が、なんと1億円近く!
それを全部、
そのお客さまがご相続する予定だったとのこと。

相続人皆さまが了承しているとのことなので、
後で揉め事になることはないかもしれません。

しかし、そのお客さまは70代。
一人でそれだけの金額をご相続すると、
いつかその方が亡くなった時には、2千万以上の相続税が。。。

そのご家庭は、少し特殊なご家族事情だったので、
そのお客さまのお子様も、今回のご相続人でした。

「その株式、いずれ、お子様に継がせていくものならば、
今回、お子様もいくらか相続されてはいかがでしょう??」

このようなご提案をさせていただきました。

そのお客さまにとって、
ご自身の相続の際に、そんなに多額の相続税がかかること、
今回の遺産分割を工夫することで、それを回避できること、
は、目からウロコだったようです。

ご面談の最後に、そのお客さまは笑顔でおっしゃいました。

「商売気質で、なんでも即決で生きてきたけど、
今回ばかりは、ペースダウンするわ。
あなたに会ったのが今日でよかった!
大事な財産のことだもんね、慎重に考えないと。」